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なぜ遊技機のリサイクルが必要なのか

なぜ遊技機のリサイクルが必要なのか

資源有効利用促進法の施行

2000年6月の「循環型社会形成推進基本法」制定に伴い、2001年4月に「資源有効利用促進法(改正リサイクル法)」が施行され、ぱちんこ遊技機もその対象製品(省資源化製品・再利用促進製品)に指定されました。

指定された製品については、製品の製造段階における3R対策、設計段階における3Rの配慮、分別回収のための識別表示、製造事業者による自主回収・リサイクルシステムの構築などが規定されています。

これに伴い、メーカーはリサイクル率(リユース、マテリアルリサイクル)の向上を図るため、使用済み遊技機を効率的に回収し、部品の軽量化・鉛使用量の削減・循環型素材の使用・梱包材の削減・分別の簡素化など、環境に配慮した設計にも取り組まれています。

海外における環境汚染問題

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2006年、当社が独自に行った実態調査で、使用済み遊技機が香港を経由して中国などに不法に流出されている実態が明らかになりました。

国内で処理されるはずの使用済み遊技機は年間約400万台で、そのうち業界6団体により構成されるリサイクル推進委員会の選定処理業者が処理しているのはわずか約200万台にとどまり、残りが香港に輸出されているとみなされているのです。また、そのほとんどは液晶ブローカーなどにより日本国内で液晶が外され、再使用が不可能となったもので、香港で解体して素材ごとに分けられ、中国の業者へ転売されています。

そこで問題になっているのは、中国におけるリサイクル処理の不備による健康被害です。 中国では使用済み遊技機や家電などから取れる電子基板を鉄板の上であぶることによりレアメタルを取り出していますが、その過程において発生する有害物質が大気中に放出され、作業員だけでなく周辺住民らも深刻な健康被害をうけているというのです。

中国広東省の汕頭大学の調査によると、基板を処理する地区の周辺に住む幼児(1~6歳)の8割から神経障害などの原因となる鉛中毒症状が確認さたほか、解体に従事する労働者も呼吸器疾患や皮膚病などを訴えていることが明らかになりました。

以前、国内でも不法投棄が社会問題化した(事項「国内における不法投棄問題」参照)ことがあり、ぱちんこメーカーの団体である日本遊技機工業組合は2003年に無料で使用済みぱちんこ遊技機を回収・リサイクルできる「遊技機回収システム」を構築しました。ところが、輸出のために液晶がなくても有料で買い取るブローカーが暗躍するなどし、回収率はいまだに低迷しているのが実情です。

少しの利益と引き換えに、大きな国際的環境問題をもたらしていることを排出者は強く自覚する必要があるではないでしょうか。

国内における不法投棄問題

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1980年代末ごろから、遊技機の入れ替えサイクルが極端に短くなったことや、処理しにくい材質がしようされ出したこと、自治体も使用済み遊技機を一般廃棄物として受け入れなくなったことなどから、使用済み遊技機の処理に困った運送会社、処理業者等による放置や不法投棄が全国で散見され始めました。

1994年、埼玉県寄居町で大量の使用済み遊技機が野積みにされたまま放置されていることが新聞等で報道され、一気に社会問題化するとともに、以後、遊技機のリサイクル問題が注目されることとなりました。寄居町の野積みについては、メーカーや販社等の業界4団体が費用を負担し合い2年かけて約2万5千台の撤去作業を行いました。

その後も2002年に栃木県鹿沼市・宇都宮市で約21万台を撤去、2003年には福島県双葉都で約6万台(その他フレコンバック数千個)を撤去するなど、不法投棄問題はその後を絶ちませんでした。

不法投棄されたものを適正に撤去するには膨大な費用と労力が必要となるだけではなく、社会的責任問題になります。
不法投棄とは反社会的行為であり、立派な犯罪であることを一人一人が再認識する必要があると言えます。

不法投棄に関する罰則(排出事業者向け抜粋)

平成12年の法改正において、不法投棄は反社会的行為という位置づけが強化され、制裁措置が大幅に引き上げられています。

法第25条(5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれを併科)
  • 無許可営業 許可を受けずに廃棄物の収集・運搬、処分を業として行うこと。
  • 無許可業者への委託 事業者が許可を受けた処理業者等以外のものに廃棄物の処理を委託すること。
  • 廃棄禁止違反 廃棄物をみだりに捨てること。
  • 焼却禁止違反 廃棄物の焼却禁止に違反すること。
  • 投棄禁止違反未遂 不法投棄の未遂。
  • 焼却禁止違反未遂 不法焼却の未遂。
法第26条(5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれを併科)
  • 委託基準違反 事業社が処理を委託する際に委託基準に違反すること。
  • 改善命令違反 事業者が改善命令に違反すること。
  • 廃棄物の輸出違反 産業廃棄物を環境大臣の確認なしで輸出すること。
法第29条(50万円以下の罰金)
  • 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の虚偽の記載等違反
  • 事業者が管理票を交付しないこと、又は規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして報告すること。
  • 事業者が送付された管理票の写しを保存しないこと。
  • 処理業者が受託していないにもかかわらず虚偽の記載をして管理票を交付すること。
  • 事業者が情報処理センターに虚偽の登録をすること。
法第30条(30万円以下の罰金)
  • 帳簿備付け保存等義務違反 帳簿を備えず、記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は保存しないこと。
  • 報告義務違反法に規定する報告徴収に関して、報告せず、又は虚偽の報告をすること。
法第32条(法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して違反行為をしたときは、その法人又は人も罰せられる)
  • 廃棄物の投棄禁止違反及び未遂、焼却禁止違反及び未遂(1億円以下の罰金)
  • 上記(投棄禁止違反及び未遂、焼却違反及び未遂)以外について、各本条の罰金

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